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貿易保険事業の独立行政法人化について


2000年12月 1日

2001年4月1日より、現在、通商産業省で実施している貿易保険事業を独立行政法人化し、当該事業の実施主体として、「独立行政法人日本貿易保険」を設立。

事業の効率化と質・量両面での利用者へのサービス向上を図る。

1.独立行政法人日本貿易保険の設立(2001年4月1日)

  1. 中央省庁等改革における独立行政法人制度導入の趣旨は、
    『国民のニーズに対応した効率的な行政サービスを提供するため、政府の政策企画立案機能と政策実施機能とを分離。後者について自主性を持った別法人化する ことによって、事業の性質に応じて最も適切な組織・運営形態を実現するとともに、効率化、サービスの質の向上、透明性の確保を図る。』
    というもの。

  2. 貿易保険事業についても、現在政府たる通商産業省が事業を実施しているが、近年における貿易保険を巡る国際金融情勢や産業界のニーズの変化に対応して、効率的で質の高いサービスを提供するためには、人事・組織・財務などの制度的制約から脱却し、職員の専門性の涵養を含めた実施体制の強化を図ることが必要不可欠。 このため、2001年4月から非公務員型の「独立行政法人日本貿易保険(以下「日本貿易保険」)」を新設し、日本貿易保険が、保険引受、保険金支払、回収等一切の貿易保険事業を行うこととする。

    ※独立行政法人の共通ルールを定めた独立行政法人通則法(以下「通則法」という。)の制定及び日本貿易保険の個別設置法たる貿易保険法の改正について、昨年度既に手当済み。

    ※なお、中央省庁再編に伴い、2001年1月6日から3月末までの間は、現在通商産業省貿易局貿易保険課・長期貿易保険課が行っている貿易保険事業は、経済産業省貿易経済協力局貿易保険課で行われることになる。
    (中央省庁等改革基本法、経済産業省設置法、経済産業省組織令)



  3. 2001年3月末までに政府が引受を行った保険契約等に関する権利義務関係については、全て日本貿易保険が承継し、当該保険契約等に係る内容変更、保険金支払、回収等の一切の業務を行う。
    (貿易保険法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)附則第7条、第9条)


2.政府と日本貿易保険との間の再保険

  1. ①日本貿易保険が引き受けるリスクの性格に鑑み、政府が何らかの形で日本貿易保険の信用力を補完する必要があること、
    ②政府の通商政策上の判断を保険引受に反映させるケースが想定されることから、政府は日本貿易保険から再保険の引受を行う。両者は毎年度包括的な再保険契 約を締結し、日本貿易保険が引受を行う全ての案件について、原則として、政府の再保険が付されることとなる。
    (貿易保険法第57条等)

  2. 2001年3月末までに政府が保険引受を行い、日本貿易保険に承継された保険責任については、法律上自動的に政府との間に再保険関係が成立する(改正法附則第10条)。

    ※2001年4月以降の政府の役割について
    1. 2001年4月以降も経済産業省には、貿易経済協力局貿易保険課が存在。
    2. 同課は、以下の業務を行う。
      貿易保険制度全般の企画立案(貿易保険法の所管等)、通則法等の規定に基づく日本貿易保険の主務官庁としての事務
      日本貿易保険との間の再保険に関する業務(貿易再保険特別会計の管理を含む)
      リスケ交渉等の国際交渉、政府代位債権の管理     等
    <2001年4月以降の体制イメージ図>
    001201.gif

3.独立行政法人日本貿易保険の組織概要等について

  • 「独立行政法人」の定義 (通則法第2条)

    独立行政法人とは、以下の3要件を満たす事務及び事業を効果的かつ効率的に行うことを目的として設立される法人のこと。

    国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要なもの
    国が自ら主体となって直接に実施する必要がないもの
    民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるもの
  • 法人格(通則法第8条)

    ・独立行政法人は、法人とする。



  • 業務の公共性、透明性及び自主性の確保の原則(通則法第3条)
    公共性: 事務及び事業が国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要なものであることにかんがみ、適正かつ効率的な業務運営に努めなければならない。
    透明性: 業務の内容を公表する等を通じて、組織及び運営の状況を国民に明らかにするよう努めなければならない。
    自主性: 業務運営における自主性は、十分に配慮されなければならない。
  • 日本貿易保険の目的 (貿易保険法第5条)
    対外取引において生ずる通常の保険によって救済することができない危険を保険する事業を効率的かつ効果的に行うこと
  • 日本貿易保険の業務範囲 (貿易保険法第13条)
    貿易保険の事業を行うこと
    上記の附帯事業を行うこと
    国際機関、外国政府等又は外国法人から再保険を引受けること
  • 業務運営 (通則法第3章)
    経済産業大臣が3~5年の期間の中期目標(業務運営の効率化、サービスその他の業務の質の向上、財務内容の改善等)を策定。日本貿易保険は、当該中期目標に基づく中期計画を作成、大臣認可を受け、中長期を見据えた事業運営を行う(年度計画についても毎年度大臣に届出)。
    事業運営(中期目標策定、中期計画認可、中期目標期間終了後の評価、年度実績評価等)に関して、定期的に外部の公的機関(評価委員会)から評価を受け、その結果が公表されることにより、事後チェック型の透明性のある制度が確保されている。
  • 財務及び会計 (通則法第4章)
    独立行政法人の会計は原則として企業会計原則。日本貿易保険については、公認会計士の監査も必要。
  • 資本金 (貿易保険法第7条及び改正法附則第7条第2項等)
    全額政府出資。政府は、「政府が未代位の保険金支払済み債権」を現物出資する(具体的な出資額は、資産評価委員会において決定)。政府は追加出資も可能。
  • 人事管理 (通則法第5章)
    日本貿易保険は、非国家公務員型を採用。
  • 役員(定数、任期等)
    理事長1人、監事2人を置く。理事3人以内を置くことができる。 (貿易保険法第8条)
    役員の任期は2年(貿易保険法第10条)
  • 主たる事務所 (貿易保険法第6条)
    東京都→本店、名古屋支店、大阪支店の3本支店体制とする。
  • その他
    役職員の秘密保持義務 (貿易保険法第11条)
    役職員の刑法その他の罰則の適用に関するみなし公務員規定 (貿易保険法第12条)

4.日本貿易保険における貿易保険事業の具体的運営の方向

  1. 事業の効率的運営を旨としつつ、質・量両面での利用者へのサービス向上(リ スクへの積極的対応、利用者の負担軽減等)を図るため、制度、業務、組織体制 の各面において積極的な対応を行う。

  2. 日本貿易保険発足の際には、業務の効率化と意思決定の迅速化を達成すべく、機能的かつフラットな組織体制・業務フローを構築するとともに、てん補率の拡大、回収制度の見直し等各種の制度改正を行うこととする。

→「2001年4月実施の制度改正項目について」参照

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